コールセンターの仕事内容とは?オペレーターやテレアポの給与や仕事内容について解説
電話対応を専門に行うコールセンターのオペレーター業務は、給与や時給も高く気になっている人も多い職業です。
マニュアルに沿って電話をしているだけでいいと想像している人もいるかもしれません。実際には相応の厳しさもあり、向いている人といない人がはっきり分かれる仕事でもあります。
「人と話すのが好きだからコールセンターのオペレーターを仕事にしたい」という人もいるでしょう。この記事では筆者の経験も含めて、コールセンターのオペレーターという仕事について詳しく解説します。
コールセンターのオペレーターってどんな仕事?
コールセンターのオペレーターとは、消費者などからの電話を受けてマニュアルに沿った受け答えを行う仕事です。
発信と受信の2種類がありますが、電話を通して顧客や消費者と会話をするという点は変わりません。
基本はトークスクリプトと呼ばれるマニュアルに沿って受け答えをするので、業務自体は誰にでもできる内容と言えるでしょう。
コールセンターの仕事はどこで募集されている?
よく求人サイトや求人雑誌などに「コールセンターのオペレーター募集!」という求人情報が掲載されています。
ほとんどはアルバイトや派遣スタッフの募集ですが、中には正社員登用を視野に入れた求人も少なくありません。
アルバイトや派遣でも時給1500円~2000円前後に設定されているところが多いです。コンビニや居酒屋などに比べても高い部類に入るでしょう。
コールセンターの種類
コールセンターには大きく分けて「受信業務(インバウンド)」と「発信業務(アウトバウンド)」の2種類があります。それぞれの違いは文字通りです。
受信業務(インバウンド)は、相手からの問い合わせに対しての受け答え 発信業務(アウトバウンド)は、自分から電話をかけてアプローチ
同じコールセンター業務でも、発信・受信のどちらかによって給与・時給に大きな違いが生まれます。一般的に発信業務のほうが、難易度は高く精神的負担も大きいです。
そのため、受信業務に比べると発信業務のほうが給与・時給ともに高く設定されています。それぞれのコールセンターで行われる業務内容・目的は以下の通りです。
発信業務(アウトバウンド)
世間では「テレアポ」と呼ばれる仕事で、個人・法人相手に対してアポイントを獲得したり、資料の送付許可をもらうのが目的になります。
発信業務の目的
- アポイント獲得
- 資料の送付許可
- アンケート調査
自分から見知らぬ会社・人に電話をかけてこちらの要望を通す業務なので、場合によっては罵詈雑言を言われたり、ガチャぎりされることもあるでしょう。
そういった部分で相手からの電話を受ける受信業務よりも精神的な負担が大きく、入れ替わりが激しい職種でもあります。
しかし、アポイント獲得数などが報酬に直結するため、向いている人であれば他のアルバイトや正社員では得られない額の給与を獲得することも可能です。
アウトバウンドの時給・給与相場
地域や会社にもよりますが、アルバイトの場合は時給1500円~1700円からスタートのところが多いです。経験や歩合給なども考慮されれば、時給2000円以上も夢ではないでしょう。
正社員の場合は、オペレーター業務だけでなくクライアントとの折衝や品質管理・調整などの仕事も行うことになります。
昇格すればコールセンターの管理業務も含まれてくるので、給与としては20万~25万円が相場です。
正社員は営業管理や事務的要素も多いため、オペレーターとしては考えないほうがいいかもしれません。
受信業務(インバウンド)
顧客や消費者・ユーザーなどからの質問や疑問・クレームに対応するのが、コールセンターの受信業務です。
何かしらの商品などを買うと説明書に「サポートセンター」の連絡先が記載されていると思いますが、そのサポートセンターで受け答えをするのがオペレーターになります。
問い合わせの種類や媒体は会社や商品によりけりですが、基本となるのは質問の受け答えとクレーム対応です。
受信業務の目的
- 問い合わせ
- クレーム
発信業務と比べると精神的な負担が少なく、内容もパターン化されてくるので人気があります。1度慣れてしまえばやることは同じなので、安定した職種とも言えるでしょう。
インバウンドの時給・給与相場
受信業務の時給相場は発信業務よりやや下がり、1000円~1300円ほどです。正社員なら18万~20万円ほど。
ただコールセンターによっては発信と受信の両方を行うこともあるので、求人票だけで判断するのは難しいかもしれません。これらのポイントは面接時に確認しておくといいでしょう。
発信業務と受信業務の難易度
同じコールセンター業務ですが、発信と受信では難しいとされるポイントも違います。
発信業務の難しさ
発信側のコール業務は、相手が必要としていない段階でアプローチをかけるので、邪険に扱われることも少なくありません。
・電話をかけた瞬間にガチャぎり・暴言を吐かれて切られる・迷惑そうに対応される
などなど。精神的に辛い場面も多いです。
発信業務に求められるのは以下のようなことになります。
・端的に分かりやすく説明する能力・相手に不快感を与えない話し方と対応・断られる・怒られるのが当たり前という価値観
コールセンターの発信業務で相手に情報を伝えるためのツールは電話だけです。映像もなければ、サンプルを見せることもできません。
そのため、電話越しでも理解しやすい話し方・言葉選びが重要になります。同じ商品でも話し方や伝え方によって成果に差が生まれるので、非常に難易度が高い業務とも言えるでしょう。
また自社の商品を必要としているかどうかも不明確な段階であるため、不要な人には電話をかけても断られるのが当たり前です。
これらの背景を理解した上で、電話相手に断られたり暴言を吐かれても、へこたれない図太さが必要になります。
受信業務の難しさ
コールセンターの受信業務では、どれだけ正確に相手の言いたいこと・言ったことを理解できるかが重要になります。
問い合わせしてくる人の中にはパニックになって、まくしたてるように早口で話されるケースも少なくありません。
また住所や電話番号・名前を聞くことも多く、聴き間違えのないように注意する必要があります。相手の話に対して、しっかりと耳を傾けられるかがポイントです。
普段会話をしていても、人の話を聞くのが苦痛に感じるのであれば、コールセンターの受信業務は避けたほうがいいかもしれません。
その他、クレームの受付も基本的にコールセンターで行われています。クレームの内容は正当性のある内容から、ただのいちゃもんまでピンキリです。
アルバイトであれば社員に引き継いだり、マニュアルに沿った対応をすることになります。
相手によっては顧客のストレス発散に利用されるケースもあるため、それらを聞き流して対応できるスキルも必要になるでしょう。
コールセンターにはどんな商品を扱っている会社がある?
オペレーターを募集している求人はたくさんありますが、案内する内容や商材は会社によってさまざまです。
顧客向け・法人向けといったターゲットも違いますし、単価・需要・シェアなども異なります。
一般的にコールセンターが多いとされる業種・職種は以下の通りです。
コールセンターが多い業種・職種
- 通信回線の切り替え案内営業
- 広告の出稿案内
- 保険の案内連絡
- ITサービスのテレアポ
- ホームページ制作の電話営業
- LED照明の電話営業
オペレーターとしてどこまでの業務を担当するかは、企業によって違います。
大手企業になるほど分業がしっかりしており、コールセンター業務に集中できる傾向があるようです。
営業要素も含むテレアポは、商材によってアポイントの獲得率が大きく変わるので、入社する前に商材のニーズについても勉強しておくといいでしょう。
どんな人がコールセンター業務に向いている?
コールセンターは入れ替わりが激しい職種ですが、長い人だと数年以上続けているベテランもいます。
環境や商材・状況次第ですが、一般的にオペレーターに向いているのは以下のような人です。
コールセンターのオペレータ-業務に向いている人
- 人の話をよく聴く人(聴くのが苦にならない人)
- 丁寧な話し方ができる人
- どんな暴言も聞き流せる人
- 相手の身に立って物事を考えられる人
- 長時間の電話に抵抗がない人
コールセンターの残業時間は?
全体的なことを言えば、コールセンターの残業はほとんどありません。
なぜなら大体の会社ではサポートセンターの受付時間が明確に決められており、それを過ぎると営業時間外コールに切り替えられるからです。
皆さんも土日や夜遅くなどに何かのサポートセンターに電話をして 「ただいまは営業時間外です。申し訳ありませんが、平日の10時から18時の間でお掛け直しください」というコールを聞いた経験があるのではないでしょうか。
営業時間を過ぎるとコールセンターへの電話自体が弾かれるので、残業をする状況にならないのです。
まとめ
コールセンターは派遣切りなどで危惧されることも多いですが、テレアポや電話応対の経験を活かして、事務員や営業サポート業務に正社員として昇格する方法もあります。
顧客や消費者の不安や疑問・怒りを受け流すスキルは、どのような職種であっても応用が利くので非常に便利です。
“コールセンター”という言葉にこだわらず、そこから選択肢を広げることもできるので、まずは経験としてコールセンターで働いてみるのもいいでしょう。
大変なことも多いですが、得られるスキル・経験もたくさんあるので、この記事を参考に検討してみてください。