無期雇用派遣と紹介予定派遣のサービスの違い
最初に無期雇用派遣と紹介予定派遣のサービスの違いを表で解説します。分かりやすいように一般派遣も表に入れて解説します。
無期雇用派遣 | 紹介予定派遣 | 一般派遣 | |
雇用期間 | 無期 | 最長6ヶ月 | 1ヶ月~3年 |
雇用主 | 派遣会社 | 派遣会社 | 派遣会社 |
給与 | 月給 | 時給 | 時給 |
正社員のなりやすさ | ★★☆ | ★★★ | ★☆☆ |
派遣先 | 選べない | 選べる | 選べる |
選考・試験 | あり ※派遣会社 |
あり ※派遣先 |
なし |
選考難度 | 高い | 高い | - |
福利厚生 | あり | あり | あり |
実態 | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
個々の実態については表中「詳細」に解説をまとめています。
無期雇用派遣と紹介予定派遣の比較【雇用期間の有無】
無期雇用派遣と紹介予定派遣の大きな違いは、「雇用期間」があるか否かです。
無期雇用派遣は名前から「無期」と表現しているように、その雇用は半永久的に続きます。「同じ職場」で無期で働き続ける場合もあれば、派遣会社主導で派遣先が点々とする場合もあります。
対して紹介予定派遣は「直接雇用を前提」とした雇用形態であるため、派遣社員保護の観点から雇用期間に制限を設けています(最長6ヶ月)。また正社員登用後も、就業先にて「試用期間」を設けることを禁止しており、すぐさま定められた給与で正社員と同等の恩恵を受けられるメリットがあります。
紹介予定派遣は派遣先にとってみれば「長期の選考兼試用期間」であるため、両者にとってメリットがあるものなのです。
無期雇用派遣と紹介予定派遣の比較【給与形態】
給与形態については、無期雇用派遣が月給、紹介予定派遣が時給です。
一見「月給」の方が待遇がよい印象がありますが、「時給」は働いたその分をまっとうに得ることができるため、場合によっては月給を上回ります。もちろん、月給もそれは言い換えることができるため、正直どちらであっても変わりません。
月給か時給かという間で悩みを抱えるのはナンセンスです。
無期雇用派遣と紹介予定派遣の比較【正社員のなりやすさ】
一番興味がある項目だと思いますが、単純に「正社員になるだけ」でしたら、それは紹介予定派遣が圧倒的になりやすいです。
なぜなら先程も申し上げたように、紹介予定派遣は「直接雇用を前提」としているからです。
無期雇用派遣は、直接雇用を前提とした働き方ではなく、むしろ「派遣会社が有能な派遣スタッフを抱える」ことを目的とした制度であるため、実は両者の性質は相反するものなのです。
もちろん無期雇用派遣から正社員を目指せる制度を設けている派遣会社、テンプスタッフの「ファンタブル」は例外ですが、ファンタブル以外の派遣会社ではその実例はほとんどありません。
言い換えれば、ファンタブル以外の無期雇用派遣で正社員を目指すのは非常に困難(派遣先による)です。
紹介予定派遣の場合でも、募集要項を必ず確認する必要があります。これはある紹介予定派遣の募集ですが、「直接雇用前提」といっても、その実態が正社員ではなく契約社員であるケースです。これは絶対に応募してはいけない案件になります。
詳しくは以下で解説していますが、「契約社員」というのは全雇用形態の中でも最も危険な働き方。しかも「派遣上がりの契約社員」となると、就業後ひどく差別やジェラシーを感じるはずです。結果的にその会社を辞めてしまうということもありますので、募集は必ず「正社員」と書かれたものに応募して下さい。
無期雇用派遣と紹介予定派遣の比較【派遣先が選べるか否か】
「派遣先が選べる」というのは、正社員として働く「場所・会社」が選べるか否かという意味です。これは正社員への道の近さ以上にとても重要なポイントです。
無期雇用派遣の場合、その就業先は軽微な希望を出すことはできますが、明確に「この企業に行きたい・働きたい」という希望までは出せませんし、ほとんど派遣会社主導で決まることになります。
対して紹介予定派遣の場合は、募集内容から具体的な企業名までわかった状態で応募することができ、より就職活動に近い形で行うことができます。
言うまでもありませんが、ここでも紹介予定派遣の方がメリットは大きいと言えます。無期雇用派遣のようなスタイルだと、自分の意思を反映させづらいため、仮に就職できたとしても「離職率」が高まる可能性があります。
無期雇用派遣と紹介予定派遣の比較【選考・採用試験・面接】
無期雇用派遣も紹介予定派遣も、一般派遣の「派遣登録」「職場見学」など簡単な申込で決まるものではなく、就職試験のような「選考」があります。しかし、その選考を行う「相手」が異なります。
無期雇用派遣は、まず派遣会社内の正社員になるイメージなので、「派遣会社が」選考を行います。しかし紹介予定派遣は、直接雇用を前提としているため、「派遣先企業が」選考を行います。
難易度で言えば、紹介予定派遣は企業によって基準が異なりバラつきがありますが、無期雇用派遣は各社一定の基準で選考が行われるイメージです。どちらが難しい・簡単というのは判断ができません。
そして、無期雇用派遣はどの派遣会社も「若年層」を対象にしているケースが多いため、30代以上の方の申し込みは難しくなります。
無期雇用派遣と紹介予定派遣の実態比較
無期雇用派遣を選ぶにしても紹介予定派遣を選ぶにしても決して簡単な道のりではありませんし、とにかく時間がかかります。しかし単純に「正社員になりたい」という目的がある場合での比較は「紹介予定派遣」という答えにはなります。
ただ、実態面から両者のサービスの本質を見てみると、「あること」に気付かれる方も多いと思います。
ずばりその通りです。紹介予定派遣は「最長6ヶ月」とありますが、ほとんどの企業が最長期間まで雇用を引っ張ります(人件費が抑えられるので)。「前提」と言っておきながらもその採用を見送ることも可能です。派遣法違反にはなりませんが、実態としては派遣切りと全く同じです。
無期雇用派遣の場合も、再三解説していますように「派遣会社にとって」メリットがある制度なので、そもそもあなたを派遣会社が手放そうとは考えていません。仮に正社員になれたとしても、数年の歳月がかかることを覚悟すべきでしょう。無期雇用派遣社員というのは、本当に派遣会社にとって「扱いやすい駒」だからです(参考:無期雇用派遣の実態)。
正社員への可能性としては紹介予定派遣はおすすめですし、実際にその実績数は増えています。
平成24年度 | 平成25年度 | |
紹介予定派遣実施事業所数 | 3,245所 | 3,117所 |
紹介予定派遣に係る派遣先からの申込人数 | 156,767人 | 175,116人 |
紹介予定派遣により労働者派遣された労働者数 | 53,191人 | 65,520人 |
紹介予定派遣により職業紹介を実施した労働者数 | 42,718人 | 47,394人 |
紹介予定派遣で直接雇用に結びついた労働者数 | 28,815人 | 35,214人 |
厚生労働省「労働者派遣事業調査」
しかし、先ほども解説した直接雇用前提の無期雇用派遣「ファンタブル」のサービスを開始したテンプスタッフでは、紹介予定派遣の件数が減少傾向にあります。その理由は火を見るよりも明らかでしょう。
もちろんより早く・確実に正社員を目指したい場合は、無期雇用派遣でも紹介予定派遣でもなく、「転職エージェント」に登録してください。
[正社員→正社員]と、働きながら転職活動をするわけではなく、[派遣社員→正社員]への転職活動ですから6ヶ月以上かかるはずがありません。転職活動だけに集中すれば、早ければ数週間で決まります。
特に今の時代、有効求人倍率は急上昇。外国人の採用が進んでいるといっても、それは大企業に限った話。日本の企業は中小企業が9割で、英語なんて仕事中使わない中小企業が外国人の採用に積極的なはずがありません。「日本人」を求めている、人手不足で悩んでいる会社はわんさか存在します。「仕事がない」「決まらない」となげている方は、自分のテリトリー内だけで仕事を探しているからであり、もっと視野を広げると多くの求人が転がっているのです。
そのための手段が転職エージェントです。転職エージェントは派遣社員であっても、出産などを機に退職しブランクがある方でも登録可能です。例えばdodaやリクルートエージェントなど、大手の転職エージェントの大元は派遣も扱っているテンプスタッフやリクルートスタッフィングです。転職エージェント=現職からの転職希望者が対象、と思っている方も多いでしょうが、実際のところニートでもバイトでも派遣社員でも、誰でも登録することができるのです。もちろん大手の企業に就職することは困難が待ち受けていますが、そもそもこの事実を知らないという方が実に多いのです。
繰り返しますが、仕事は山ほどあります。無期雇用派遣や紹介予定派遣で「正社員になれない」ということはありますが、転職エージェントに登録して「正社員になれない」ということはまずあり得ませんし、6ヶ月もかからず決まります。
私がこうして転職エージェントを紹介した派遣社員でわずか1週間で正社員になることができた方もいます。これはもしかしたら派遣の選考より早いかもしれませんね。目的が「正社員」とまず明確であるならばまず一度カウンセリングを受けてみるべきでしょう。
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