看護師が手取り40万円を手にするために必要な要素とは?
看護師として働く場合、手取りが20万円や30万円を得るのはそれほど難しいことではありません。しかし、手取り40万円となると、ちょっとハードルが高くなりそうですね。
手取りを40万円にするにはどうすればいいのでしょうか?
看護師の給与を手取り40万円にするには総支給額はいくら必要?
看護師の場合、手取り20万円なら新人看護師でも可能ですが、手取り30万円になるとある程度の経験が必要です。
また、日勤のみよりも夜勤を含めた交替勤務の方が手取りは多くなります。
では、手取り40万円にするには、どうすればいいでしょうか?
手取り40万円に必要な総支給額
給与は基本給に各種手当が加算され、そこから社会保険料(健康保険、介護保険、厚生年金保険、雇用保険)と税金が引かれます。職場によっては懇親会費や組合費などを引かれる場合もあります。
その結果、残るのが手取り額です。
手取り額は総支給額の約80%
一般的に手取り額は総支給額の約80%と言われています。手取りを40万円にするには、「50万円×80%=40万円」となり、総支給額は約50万円が必要ということになります。
これはある試算サイトでの計算結果です。
(東京都在住、30歳、正看護師で扶養家族なしの場合)
総支給額■ (各種手当含む※) |
489,990円 |
---|---|
健康保険(A) | 24,750円 |
介護保険(B) | 0万円 |
厚生年金(C) | 45,750円 |
雇用保険(D) | 1,470円 |
所得税(E) | 18,020円 |
控除額合計▲ (A+B+C+D+E) |
89,990円 |
手取り額 (■-▲) |
40万円 |
(※:各種手当に交通費は含んでいません。),
この試算でもわかる通り、総支給額が約49万円もあっても約9万円が控除されます。そのため、手取り40万円を目指すならば、総支給額は各種手当を含めて49万円~50万円ほど必要ということになります。
看護師で手取り40万円もらっている人は少ない?
手取り40万円、つまり総支給額50万円をもらっている人は、看護師全体でどれくらいいるのでしょうか?
総支給額が45~50万円の看護師は全体の10%弱
日本看護協会が2012年に調査した「病院勤務の看護師の賃金に関する調査報告書」によると、全国の病院に勤める看護師、保健師、助産師、準看護師の1ヶ月の総支給額は下記のようになっています。
1ヶ月の総支給額 | 割合 |
---|---|
20万円未満 | 0.3% |
20~25万円 | 4.9% |
25~30万円 | 13.5% |
30~35万円 | 21.5% |
35~40万円 | 19.7% |
40~45万円 | 13.9% |
45~50万円 | 9.7% |
50~55万円 | 5.3% |
55~60万円 | 2.7% |
60万円~ | 0.8% |
これを見てもわかる通り、総支給額が30~35万円が21.5%でもっとも多くなっています。手取り40万円が可能な総支給額45~50万円の人の割合は9.7%で全体の約1割で、ハードルが高いことがうかがえます。
看護師の管理職になると手取り40万円は可能!
同じ調査では、看護師の職位別の基本給のデータも発表しています。
( )内は平均年齢です。
基本給月額 | 非管理職 (53歳) |
専門職 (43.9歳) |
主任 (50.1歳) |
副看護師長 (51.3歳) |
看護師長 (54歳) |
副看護部長 (54.1歳) |
看護部長 (56.7歳) |
---|---|---|---|---|---|---|---|
25万円未満 | 13.0% | 10.9% | 13.1% | 8.7% | 5.0% | 2.1% | 2.4% |
25~30万円 | 24.7% | 23.8% | 25.2% | 14.4% | 14.1% | 7.4% | 7.6% |
30~35万円 | 26.2% | 30.5% | 21.0% | 16.5% | 17.1% | 9.5% | 11.6% |
35~40万円 | 25.4% | 25.0% | 26.4% | 39.5% | 29.6% | 30.0% | 20.1% |
40~45万 | 8.7% | 7.2% | 11.3% | 17.2% | 21.1% | 29.8% | 26.5% |
45~50万 | 1.5% | 1.7% | 1.9% | 2.6% | 7.6% | 12.2% | 11.6% |
50万円以上 | 0.5% | 10.9% | 1.1% | 1.2% | 5.5% | 9.1% | 20.1% |
これは基本給の統計で、実際の総支給額は各病院で規定されている各種手当が付きます。基本給だけで見た場合、主任クラスや副看護師長クラスでは35万円~40万円のケースが最多で40万円以上の割合は少なくなります。
一方、看護師長では基本給35~40万円が多いですが、40~45万円の割合も21%を超えています。さらに看護部長になると40~45万円の割合がもっとも多くなります。
この基本給に各種手当が加算されるので、管理職になると手取り額はかなり多いことが考えられます。