栃木県の看護師の転職市場の状況と特徴

公益財団法人日本看護協会が運営するeナースセンターの登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書によると、2020（令和2年）度の栃木県では、看護職への求職者数803に対して、求人数は428の施設・3,031人となっています。

求人倍率は3.77倍と47都道府県中で3番目、全国平均の2.05倍を大きく上回る水準です。

※公益財団法人日本看護協会 eナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書2020（令和2年）度 第1章求職・第2章求人・第3章応募・就職状況より
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_3.pdf
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_4.pdf
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_5.pdf

また、JMAP地域医療情報システムの栃木県の統計によると、2021年11月時点で、栃木県内には107の病院と、1,179の一般診療所があります。

人口10万人当たりの施設数では、病院数が5.54（全国平均が6.49）、一般診療所が60.99（全国平均が69.75）となり、全国平均と比較して病院数・一般診療所数の割合は低い水準となっています。

※JMAP地域医療情報システム栃木県統計（日本医師会）より　https://jmap.jp/cities/detail/pref/9
※2021年11月時点の地域内医療機関情報の集計値（人口10万人あたりは、2020年国勢調査総人口で計算）

厚生労働省が発表している「令和2年度（2020年度）衛生行政報告例」によると、栃木県内の看護師数は17,702と全国で23番目に少なく、人口10万人当たりの看護師数は915.7で全国平均の1015.4人を下回る水準です。

なお、栃木県の看護師の平均年齢は43.8歳です。

※令和２年度（2020年度）衛生行政報告例　令和２年（2020年）末時点【保健師・助産師・看護師・准看護師】　第１表　就業保健師・助産師・看護師・准看護師数及び率（人口１０万対），都道府県別
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032069431&fileKind=0
※令和２年賃金構造基本統計調査 都道府県、職種（特掲）、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額（産業計)（全国～１１埼玉）より
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032069529&fileKind=0

東京都の北側に位置する栃木県は人口約191万人が暮らす都市で、茨城県や群馬県とともに北関東を構成しています。

県内に一部は日光国立公園に指定されているほか、公園内には火山である男体山と中禅寺湖、華厳の滝があります。また県西部には徳川家康を祀った日光東照宮、北部にかけては日光・鬼怒川・塩原・那須といった観光地があります。

農業も盛んで米作のほか飲料工業、いちご、ニラ、ニンジンなどの生産量が多いことで知られています。また那須塩原市では酪農も盛んであり、牛乳の生産量は北海道の次に多くなっています。

交通手段は主要駅である宇都宮駅を除けば車での移動が基本となるため、マイカー通勤をする方が多いのが特徴です。

代表的な病院としては、下記の病院があります。

• 獨協医科大学病院
• 自治医科大学附属病院
• 上都賀総合病院
• 国立病院機構栃木医療センター
• 済生会宇都宮病院
• JCHOうつのみや病院
• 栃木県立がんセンター
• 佐野厚生総合病院
• とちぎメディカルセンターしもつが

栃木県の看護師の年収と平均給与（統計情報）

厚生労働省が発表している「令和2年度賃金構造基本統計調査」による栃木県の看護職の平均年収は上記のとおりです。

平均年収はそれぞれ、看護師が約496.6万円、准看護師が約441.9万円、看護助手が約300.5万円となっています。

看護師・准看護師の平均年収は全国平均を上回り、看護助手の平均年収は全国平均を下回っている状況です。

※令和２年賃金構造基本統計調査 都道府県、職種（特掲）、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額（産業計）
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032069529&fileKind=0

栃木県の看護師求人に関するよくある質問

栃木県の看護師の求人数は多いですか？

栃木県の病院・一般診療所の人口10万人当たりの病院数や一般診療所数は全国平均値を下回っています。

また、求職施設数と求人数は全国的に見てもそれほど多いとはいえません。そのため、求人は多くないでしょう。

ただし、看護師専門の転職エージェントや転職サイトでは、栃木県の看護師求人を豊富に取り扱っているため、転職先を見つけやすいでしょう。

栃木県では看護師が転職しやすいですか？

栃木県の看護師求人の求人倍率は3.77倍で、全国平均の2.05倍を大きく上回る水準です。

一般職業紹介における栃木県の有効求人倍率が1.16倍（令和3年12月）であり、看護師の求人倍率が3倍以上高くなっています。

求人こそ少ないものの、他の都道府県や他業種・他職種と比較すると転職しやすいといえます。

※一般職業紹介状況（職業安定業務統計）都道府県（受理地）別 労働市場関係指標（実数、季節調整値）より
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032166004&fileKind=0

栃木県で看護師求人が多いエリアはどこですか？

ハローワークで紹介されている求人情報によれば、栃木県全体での看護職系の求人（看護師、准看護師、看護助手、保健師、助産師）は773件あります。
そのうち、宇都宮市の求人が223件（約29%）、以下足利市が64件（約8%）、小山市が59件（約8%）、栃木市が58件（約8%）となっており、4つの市の求人が全体の約52%を占めています。

※ハローワークインターネットサービスでのリサーチの結果（2022年4月30日時点）
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/index.html

またJMAP地域医療情報システムの地域別統計によれば、栃木県内で病院や一般診療所が多い地域は下記のとおりです。

※JMAP地域医療情報システム地域別統計で調査した栃木県の統計のうち、医療機関数（合計）で数が多い市町村の詳細を調査した結果（2021年11月時点の地域内医療機関情報の集計値）
https://jmap.jp/cities/search

上記の結果より、栃木県内では宇都宮市に求人が集中しやすく、足利市・小山市・栃木市も看護系求人が多い傾向にあるといえます。

栃木県の看護師の求人が多い業種は？

同じく、ハローワークで紹介されている求人によると、栃木県内の看護師の求人が636件、以下准看護師が458件、保健師・助産師が71件、保健師・助産師が17件となり、看護師と准看護師の求人数が圧倒的に多くなっています。

※ハローワークインターネットサービスでのリサーチの結果（2022年4月30日時点）
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/index.html

また、施設別の求人数でみると、病床数200~499の中規模病院の求人が全体の22.8%、病床数20~199の小規模病院の求人が16.7%、病床数500以上の大規模病院の求人が13.8%、その他の医療系施設の求人が8.7%、訪問看護ステーションの求人が7.6%となっています。

上記5つの施設での求人が全体の約70%を占めているのが現状です。

※ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書2020（令和2年）度 第1章求職・第2章求人・第3章応募・就職状況より
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_4.pdf

まとめ

今回は栃木県の看護師の転職市場の状況や特徴、看護師の平均年収などを紹介しました。

栃木県の看護師の転職事情をみると、人口10万人当たりの病院数や一般診療所数は全国平均を下回っており、求職施設数や求人数もそれほど多いとはいえない状況にあります。

一方で看護師の求人倍率は全国で3番目に高く、平均年収も全国平均を上回っていることから、転職しやすくしっかり稼げる環境が整っているといえます。

求人が多いエリアは宇都宮市を筆頭に足利市や小山市、栃木市となり、職種では看護師と准看護師の求人が多い傾向にあります。

ナースキャリアチェンジでは、看護師のための転職サイトを紹介しています。纏足サイトを利用すれば希望の求人を見つけやすくなるので、ぜひ利用を検討してください。

本記事を参考に栃木県での看護師転職の実現を目指しましょう。