埼玉県の看護師の転職市場の状況と特徴

公益財団法人日本看護協会が運営するeナースセンターの登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書によると、2020（令和2年）度の埼玉県では、看護職への求職者数2,824に対して、求人数は858の施設・5,599人となっています。

求人倍率は1.98倍と47都道府県中で28番目、全国平均の2.05倍を下回る水準です。

※公益財団法人日本看護協会 eナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書2020（令和2年）度 第1章求職・第2章求人・第3章応募・就職状況より
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_3.pdf
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_4.pdf
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_5.pdf

また、JMAP地域医療情報システムの埼玉県の統計によると、2021年11月時点で、埼玉県内には343の病院と、3,840の一般診療所があります。

人口10万人当たりの施設数では、病院数が4.67（全国平均が6.49）、一般診療所が52.28（全国平均が69.75）となり、全国平均と比較してどちらの割合も低い水準となっています。

※JMAP地域医療情報システム埼玉県統計（日本医師会）より
https://jmap.jp/cities/detail/pref/11
※2021年11月時点の地域内医療機関情報の集計値（人口10万人あたりは、2020年国勢調査総人口で計算）

厚生労働省が発表している「令和2年度（2020年度）衛生行政報告例」によると、埼玉県内の看護師数は54,124と全国で8番目に多いですが、人口10万人当たりの看護師数は736.9で全国平均の1015.4人を大きく下回る水準です。

なお、埼玉県の看護師の平均年齢は40.6歳です。

※令和２年度（2020年度）衛生行政報告例　令和２年（2020年）末時点【保健師・助産師・看護師・准看護師】　第１表　就業保健師・助産師・看護師・准看護師数及び率（人口１０万対），都道府県別
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032069431&fileKind=0
※令和２年賃金構造基本統計調査 都道府県、職種（特掲）、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額（産業計)より
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032069529&fileKind=0

埼玉県は関東平野に位置する人口約733万人の大型都市です。ムーミンバレーパークや大宮氷川神社、川越氷川神社、権現堂桜提などの観光名所が有名です。

卸売業や小売業、サービス業、製造業の事業所・従業員数が多いほか、洋菓子やチョコレートの生産額が全国トップクラスの規模を誇るスイーツ王国として知られています。

鉄道網が整備されており東京などへのアクセスが良いことに加え、エリアによっては路線バスの運行が盛んです。一方で、郊外ではマイカー通勤者が多い傾向にあります。

代表的な病院としては、下記の病院があります。

• 埼玉医科大学総合医療センター
• 防衛医科大学校病院
• JCHO埼玉メディカルセンター
• さいたま赤十字病院
• 埼玉県済生会川口総合病院
• さいたま市立病院
• 国立病院機構埼玉病院
• 埼玉県立がんセンター
• さいたま市民医療センター
• 愛友会上尾中央総合病院

埼玉県の看護師の年収と平均給与（統計情報）

厚生労働省が発表している「令和2年度賃金構造基本統計調査」による埼玉県の看護職の平均年収は上記のとおりです。

平均年収はそれぞれ、看護師が約512.0万円、准看護師が約463.7万円、看護助手が約386.2万円となっています。

いずれも全国平均の水準を上回っている状況です。

※令和２年賃金構造基本統計調査 都道府県、職種（特掲）、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額（産業計）
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032069529&fileKind=0

埼玉県の看護師求人に関するよくある質問

埼玉県の看護師の求人数は多いですか？

埼玉県の病院・一般診療所の人口10万人当たりの病院数や一般診療所数は全国平均値より低い水準です。

一方で、求職施設数と求人数は全国的に見て多い状況にあります（求職施設数は全国9位、求人数は全国8位）。そのため、求人は多いといえるでしょう。

また看護師専門の転職エージェントや転職サイトでは、埼玉県の看護師求人を豊富に取り扱っているため、転職先を見つけやすいでしょう。

埼玉県では看護師が転職しやすいですか？

埼玉県の看護師求人の求人倍率は1.98倍で、全国平均の2.05倍を下回る水準です。

一般職業紹介における埼玉県の有効求人倍率が1.06倍（令和3年12月）であり、看護師の求人倍率と比較して低い状況であることから、他の都道府県や他業種・他職種と比較すると転職しやすいといえます。

※一般職業紹介状況（職業安定業務統計）都道府県（受理地）別 労働市場関係指標（実数、季節調整値）より
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032166004&fileKind=0

埼玉県で看護師求人が多いエリアはどこですか？

ハローワークで紹介されている求人情報によれば、埼玉県全体での看護職系の求人（看護師、准看護師、看護助手、保健師、助産師）は1,931件あります。
そのうち、さいたま市の求人が405件（約21%）、以下川口市が126件（約7%）、越谷市が109件（約6%）、所沢市が91件（約5%）、川越市が83件（約4%）となっており、５つの市の求人が全体の約42%を占めています。

※ハローワークインターネットサービスでのリサーチの結果（2022年4月30日時点）
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/index.html

JMAP地域医療情報システムの地域別統計によれば、埼玉県内で病院や一般診療所が多い地域は下記のとおりです。

※JMAP地域医療情報システム地域別統計で調査した埼玉県の統計のうち、医療機関数（合計）で数が多い市町村の詳細を調査した結果（2021年11月時点の地域内医療機関情報の集計値）
https://jmap.jp/cities/search

上記の結果より、さいたま市・川口市・越谷市・所沢市・川越市では看護系求人が多い傾向にあるといえます。

埼玉県の看護師の求人が多い業種は？

同じく、ハローワークで紹介されている求人によると、埼玉県内の看護師の求人が1,554件、以下准看護師が1,033件、看護助士が198件、保健師・助産師が70件となり、看護師と准看護師の求人数が圧倒的に多くなっています。

※ハローワークインターネットサービスでのリサーチの結果（2022年4月30日時点）
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/index.html

また、施設別の求人数でみると、病床数20~199の小規模病院の求人が全体の28.6%、病床数200~499の中規模病院の求人が23.7%、訪問看護ステーションの求人が8.5%、無床の診療所の求人が6.8%、病床数500~の大規模病院の求人5.2%で、上記5つの施設での求人が全体の72.8%を占めているのが現状です。

※ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書2020（令和2年）度 第1章求職・第2章求人・第3章応募・就職状況より
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_4.pdf

まとめ

今回は埼玉県の看護師の転職市場の状況や特徴、看護師の平均年収などを紹介しました。

埼玉県の看護師の転職事情をみると、求人倍率は1.98倍、人口10万人当たりの病院数や一般診療所数も含めて全国平均値を下回る水準となっています。

同じ関東エリアの茨城県・栃木県・群馬県と比較すると転職がしにくい面があるものの、東京都・千葉県・神奈川県と比較すると転職しやすいといえます。また看護職の平均年収は全国平均を上回っている状況です。

求人数はさいたま市・川口市・越谷市などが多くなっており、職種別の求人では看護師・准看護師の求人が圧倒的に多くなっています。

またナースキャリアチェンジでは、看護師のための求人情報サイトを紹介しています。転職サイトやサービスを利用すれば転職に成功する可能性が高くなるので、利用を検討してみましょう。

本記事を参考に埼玉県での看護師の転職を成功させましょう。