茨城県の看護師の転職市場の状況と特徴

公益財団法人日本看護協会が運営するeナースセンターの登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書によると、2020（令和2年）度の茨城県では、看護職への求職者数916に対して、求人数は597の施設・3,892人となっています。

求人倍率は4.25倍と47都道府県中で2番目、全国平均の2.05倍を大きく上回る水準です。

※公益財団法人日本看護協会 eナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書2020（令和2年）度 第1章求職・第2章求人・第3章応募・就職状況より
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_3.pdf
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_4.pdf
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_5.pdf

また、JMAP地域医療情報システムの茨城県の統計によると、2021年11月時点で、茨城県内には172の病院と、1,399の一般診療所があります。

人口10万人当たりの施設数では、病院数が6.00（全国平均が6.49）、一般診療所が48.80（全国平均が69.75）となり、全国平均と比較して病院数・一般診療所数ともに少なくなっています。

※JMAP地域医療情報システム茨城県統計（日本医師会）より　https://jmap.jp/cities/detail/pref/8
※2021年11月時点の地域内医療機関情報の集計値（人口10万人あたりは、2020年国勢調査総人口で計算）

厚生労働省が発表している「令和2年度（2020年度）衛生行政報告例」によると、茨城県内の看護師数は23,523と全国で15番目に多いですが、人口10万人当たりの看護師数は820.5で全国平均の1015.4人を下回る水準です。

なお、茨城県の看護師の平均年齢は41.4歳です。

※令和２年度（2020年度）衛生行政報告例　令和２年（2020年）末時点【保健師・助産師・看護師・准看護師】　第１表　就業保健師・助産師・看護師・准看護師数及び率（人口１０万対），都道府県別
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032069431&fileKind=0
※令和２年賃金構造基本統計調査 都道府県、職種（特掲）、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額（産業計)より
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032069529&fileKind=0

関東北部の太平洋側に位置する茨城県には人口約287万人が暮らしています。自然が豊かでありながら経済性の高いのが特徴。住宅一戸当たりの敷地面積の広さが全国一位で、余裕を持った暮らしができる地域となっています。

日本で有数の農業県としても知られており、農業産出額は北海道・鹿児島県について全国第3位の規模を誇ります。特にメロンの生産量は全国第1位です。一方で県土のほとんどが平地でかつ農地が多いことから森林率が31%と大阪府に次ぐ低さです。

県南地域はJRの他に私鉄鉄道網が発達し、東京都・千葉県・埼玉県へとアクセスしやすい環境にあります。また県北地域では路線バスも運行されていますが、県全体を見た場合はマイカー通勤者が多い傾向にあります。

代表的な病院としては、下記の病院があります。

• 総合病院土浦協同病院
• 筑波大学附属病院
• 茨城県立中央病院
• 総合病院水戸協同病院
• 筑波メディカルセンター病院
• 国立病院機構水戸医療センター
• 日立総合病院
• 水戸済生会総合病院

茨城県の看護師の年収と平均給与（統計情報）

厚生労働省が発表している「令和2年度賃金構造基本統計調査」による茨城県の看護職の平均年収は上記のとおりです。

平均年収はそれぞれ、看護師が約504.5万円、准看護師が約441.2万円、看護助手が約347.7万円となっています。

いずれの水準も全国平均の基準を上回っている状況です。

※令和２年賃金構造基本統計調査 都道府県、職種（特掲）、性別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額（産業計）
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032069529&fileKind=0

茨城県の看護師求人に関するよくある質問

茨城県の看護師の求人数は多いですか？

茨城県の病院・一般診療所の人口10万人当たりの病院数や一般診療所数は全国平均値と比較して少ない状況です。

一方で、求職施設数こそ多くないものの、求人数は全国的に見ればやや多いのが現状です。そのため、求人数は比較的多いといえるでしょう。

ただし、看護師専門の転職エージェントや転職サイトでは、茨城県の看護師求人を豊富に取り扱っているため、転職先を見つけやすいでしょう。

茨城県では看護師が転職しやすいですか？

茨城県の看護師求人の求人倍率は4.25倍で、全国平均の2.05倍を大きく回っており転職しやすいでしょう。

一般職業紹介における茨城県の有効求人倍率が1.49倍（令和3年12月）であり、看護師の求人倍率が3倍近く高いことから、他の都道府県や他業種・他職種と比較しても転職しやすいといえます。

※一般職業紹介状況（職業安定業務統計）都道府県（受理地）別 労働市場関係指標（実数、季節調整値）より
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/file-download?statInfId=000032166004&fileKind=0

茨城県で看護師求人が多いエリアはどこですか？

ハローワークで紹介されている求人情報によれば、茨城県全体での看護職系の求人（看護師、准看護師、看護助手、保健師、助産師）は1,074件あります。

そのうち、水戸市の求人が152件（約14%）、以下日立市が90件（約8%）、つくば市が86件（約8%）、土浦市が61件（約6%）、取手市が45件（約4%）、古河市が43件（約4%）、笠間市が43件（約4%）、石岡市が42件（約4%）、ひたちなか市が41件（約4%）となっており、9つの市の求人が全体の約56%を占めています。

※ハローワークインターネットサービスでのリサーチの結果（2022年4月30日時点）
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/index.html

JMAP地域医療情報システムの地域別統計によれば、茨城県内で病院や一般診療所が多い地域は下記のとおりです。

※JMAP地域医療情報システム地域別統計で調査した茨城県の統計のうち、医療機関数（合計）で数が多い市町村の詳細を調査した結果（2021年11月時点の地域内医療機関情報の集計値）
https://jmap.jp/cities/search

上記の結果より、水戸市・つくば市・ひたちなか市・土浦市・日立市・古河市・取手市・石岡市では看護系求人が多い傾向にあるといえます。

茨城県の看護師の求人が多い業種は？

同じく、ハローワークで紹介されている求人によると、茨城県内の看護師の求人が830件、以下准看護師が570件、保健師・助産師が130件となり、看護師の求人数が多くなっています。

※ハローワークインターネットサービスでのリサーチの結果（2022年4月30日時点）
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/index.html

また、施設別の求人数でみると、病床数20~199の小規模病院の求人が全体の22.2%、病床数200~499の中規模病院の求人が13.1%、訪問看護ステーションの求人が10.6%、介護老人保健施設の求人が9.3%、特別養護老人ホームの求人が8.8%となり、上記5つの施設での求人が全体の64%を占めているのが現状です。

※ナースセンター登録データに基づく看護職の求職・求人・就職に関する分析報告書2020（令和2年）度 第1章求職・第2章求人・第3章応募・就職状況より
https://www.nurse-center.net/nccs/scontents/NCCS/html/pdf/2020/202_4.pdf

まとめ

今回は茨城県の看護師の転職市場の状況や特徴、看護師の平均年収などを紹介しました。

茨城県の看護師の転職事情では、看護所の求人倍率の水準が全国で2番目に高い状況にあります。そのため看護師が転職しやすいといえるでしょう。

また看護師や准看護師、看護助手の平均年収も全国平均を上回る水準となっているので、看護師が転職する環境としては魅力的です。

茨城県の看護系求人数は各都市で万遍なく募集されていますが、水戸市・つくば市・ひたちなか市・土浦市・日立市・古河市・取手市・石岡市の求人数が多く、求人が多い職種は看護師や准看護師となります。

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本記事を参考に茨城県での看護師転職を実現させましょう。